動画や冊子でTAVIを知りたい方は
こちらをご覧ください。
また、TAVIについてよく寄せられる質問も
紹介しています。
心臓専門医の
林田健太郎先生と藤田知之先生による
TAVIのおはなしをご紹介します。
2021年オンラインフォーラム
「わたしの『心臓』大丈夫?! 忍び寄る「弁膜症」を知る」から抜粋
心臓専門医によるTAVIのおはなし
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大動脈弁狭窄症と診断されて手術が必要とされたとき、人工弁の種類や手術方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
藤田先生:修復できないほど傷んでしまった弁の場合、新しい弁に取り替える必要があります。取り替えるための弁の種類には2種類あります。ひとつは機械弁、もうひとつは生体弁です。
機械弁は人工材料でできており非常に耐久性が高いもので、体に入っている限り壊れることはありません。ですが機械弁は血栓ができやすく、血液をサラサラにするためのお薬を飲み続ける必要があります。
生体弁は耐久性が10年から20年と言われています。牛や豚からできており劣化することがありますが、血栓ができにくいので、機械弁の様に血液をサラサラにするためのお薬を飲む必要はありません。
生体弁は2つの手術治療に使用されています。
藤田先生:胸を開いて弁を入れ替える治療(開胸手術)と、カテーテルで入れ替える治療(TAVI)の2種類があります。
カテーテルによる手術「TAVI」とは?
林田先生:太ももの付け根の動脈からカテーテルを入れ、生体弁を心臓まで運び、埋め込む手術です。
必要な手術が、局所麻酔を行ったうえで1センチぐらいの傷で済みますので、患者さんの負担も軽いと思います。ご高齢の方の場合、入院が長くなると筋肉量が落ち、日常生活に戻るまでの時間が増えてしまいます。なるべく傷を小さくし、局所麻酔で患者さんの負担を減らすことで、手術から2日後でも可能であれば、退院していただくという形にしています。
手術方法を決めるにあたって、医師はどう考え、患者はどのように判断すればいいのでしょうか。
林田先生:年齢での目安のほかに、開胸手術を考える要素としては、バイパス手術が必要な場合や、僧帽弁やお隣の弁の治療も必要な場合などが挙げられます。開胸手術をすると非常に体力が落ちてしまう場合や、寝たきりになってしまうような方の場合は、TAVIがいいと考えています。
この2つの治療の選択肢を持つことで、より患者さんにとって適切な選択ができるよう、チームでしっかりディスカッションを行いながら最終的な治療方針を決めています。
藤田先生:患者さん一人一人に考え方や生き方があります。手術を経た後にどういった生活がしたいか、何を求めているか、そういったことで選ぶ手術や選ぶ弁の種類が変わってきます。
私は、5歳の孫が成人になるのを必ず見たい、という場合はできるだけ耐久性のある弁がいいでしょう。私は、1週間後にもう1回ピアノが弾いてみたい、という場合は負担の少ないTAVIがいいと思います。
人それぞれにライフプランは異なりますので、私たちがきっちり話を伺い、何が適しているかを一緒に相談しながら決めていく、というのが一番いい方法だと思っています。医療者側としては、できるだけその選択に間違いがないよう、より多くの情報を提供することが大切です。外科サイドの話とカテーテルサイドの話の両方を聞き、患者さんご自身が、理解したうえで決断いただく、というのがとても大事だと思っています。
林田先生:高齢化社会に伴って患者さんは増えています。さらに、最近ではコロナの影響で受診タイミングが遅れ、かなり進行してから病院を受診される方もいらっしゃいます。コロナも怖いですが、心臓はもっと怖いので、思い当たる症状が少しでもあった場合は受診を検討していただきたいと思います。
医療従事者の方へ
患者さまへの説明用ツールとしてお役立ていただくため、こちらの動画をダウンロードできるページをご用意しております。 医療従事者向け 動画ダウンロードページへ
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2020年に改訂された弁膜症治療のガイドラインでは、明確な年齢制限はありません。
但し、優先的に考慮するおおまかな目安として、80歳以上はTAVI、75歳未満はSAVRとしています。患者さんの状態、解剖学的要件により、75歳未満の症例でもTAVI、80歳以上の症例でもSAVRを選択することもあります。
患者さんの希望と患者さんの状態を考慮し、医師の判断のもとに最適な治療法を選択します。
心不全の原因となる病気の早期発見と適切なタイミングでの治療が重要となります。
大動脈弁狭窄症は放っておくと、大動脈弁が硬くなり、弁の面積が狭くなるため、全身に送り出す血液の流れが速くなるため、心臓に負担がかかり、最終的に心不全に至ります。心不全が疑われた患者さんの入院には、1回につき120万円程度の費用がかかることが報告されている1)ため、治療の適切なタイミングを逃さないことが大切です。
2013年10月よりTAVIが健康保険適用となりました。
また、1か月に支払った医療費が上限額を超えた場合、その超えた金額を支給する「高額療養費制度」を利用することができます。詳しくは受診先の病院の窓口にてお問い合わせください。
TAVIを受けられる医療機関を検索したい。
より詳しい情報をご覧になりたい方へ
このサイトは、心臓の大動脈弁狭窄症と診断され、TAVIを検討されている、もしくは受けられた患者さんと、ご家族を対象としています。掲載された情報は、あくまで一般的な解釈に基づいており、特定の手技等を推奨するものではありません。
ご自身の診断および治療方法については、必ず医師とご相談ください。
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