大動脈弁狭窄症の病態と診断

大動脈弁狭窄症は、症状が徐々に進行するため、自覚しにくいのが特徴です。ここでは大動脈弁狭窄症の病態と適切な診断方法に関して解説します。

大動脈弁狭窄症の病態

グラフ:大動脈弁狭窄症の病態

大動脈弁狭窄症の原因として主に加齢性、先天的要因、リウマチ熱の3つがあげられます。以前はリウマチ熱により発症するケースが多くみられましたが、リウマチ熱に対する治療法が確立されたため、最近では加齢性が最も多い原因であると言われています。
大動脈弁狭窄症の症状としては、めまい、息切れ、狭心症、失神、頻脈または不整脈、動悸などが挙げられます。症状が徐々に進行するため、自覚しにくいのが特徴です。症状が発現した後の予後は極めて悪く、狭心症が発現すると5年、失神が発現すると3年、心不全が発現すると2年といわれています。1-3
そのため早期発見、早期治療が大切です。

1.Ross J Jr, et al. Aortic stenosis. Circulation. 1968;38:61-7.
2.Lester SJ, et al. The natural history and rate of progression of aortic stenosis. Chest. 1998;113:1109-14.
3.Otto CM. Timing of aortic valve surgery. Heart. 2000;84:211-8.

大動脈弁狭窄症の聴診

大動脈弁狭窄症のスクリーニング検査として最も有効かつ簡便なのが聴診です。

  • 収縮期駆出性雑音
  • Ⅱ音が小さいか、または聴こえない。
イメージ:大動脈弁狭窄症の聴診

他に頸動脈波の立ち上りが遅い等の身体所見があります。

上記が大動脈弁狭窄症の特徴的な所見ですが、心雑音が認められ、少しでも大動脈弁狭窄症が疑われる場合は、心エコーでの検査を行うことが重要です。

大動脈弁狭窄症の心エコー診断

資料:大動脈弁狭窄症の心エコー診断

以下の場合、重症大動脈狭窄と判定します。

  • 弁口面積≦1.0 cm2(AVAi≦0.6cm2/m2
  • 圧較差≧40 mmHg または 最高血流速度≧4.0 m/s

ただし、これらの基準を満たさなくても重症と判定される例( low-flow low-gradient ASなど)があるため、積極的な専門医へのコンサルトが必要です。

2014 AHA/ACC Valvular Heart Disease Guidelines
症候性重症大動脈弁狭窄症の病期分類

弁膜症 診断役立ちツール

エドワーズライフサイエンスのコーポレートサイトでは、デジタル記録した実際の症例の心音を聞きながら、聴診時のポイントをご確認いただける「聴診でわかる心臓弁膜症」と、心臓弁膜症の実際のエコー図画像とともに診断のポイントをご確認いただける「エコーでわかる心臓弁膜症」のソフトウェアをダウンロードいただけます。

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