それぞれの決断をして治療を受けた4人の皆さんが   取り戻した明るい日常。

開胸手術だけだった治療分野で、
新たに加わったTAVIを選択する理由。

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開胸手術とTAVIのちがい

従来から開胸して行う外科手術があったわけですが、そこでカテーテルで治療するTAVIが新たな選択肢として加わりました。それぞれの治療法のポイントを教えてください。

南方先生 それぞれの治療にメリットとデメリットがあって、どういう治療がいいかというのは最終的にハートチーム(*6)で相談して決めます。われわれ心臓血管外科医が普段行っているのは、全身麻酔で胸を大きく切開する開胸手術です。これは人工心肺を使って、なおかつ心臓を一時的に止めておいて、人工弁を入れるので、一連の操作をするのに、3~4時間程度必要になります。その間、人工心肺をつけたり外したり、患者さんの心臓を止めたり動かしたり、いろいろなステップが必要になります。そうしますと、高齢の方は、やはり体力とか、いろいろな臓器に問題がある場合も多いので、そんな手術には耐えられない、もしくは非常にストレスが大きくなる方もいらっしゃいます。そういった方には、TAVIもひとつの選択肢として検討されます。

齋藤先生 ハートチームを組んで勉強になるのは、われわれ内科の医師と外科の先生では、同じ疾患を診ても少し見方が違うというところです。心臓弁にしても、内科は超音波エコーやCTで観察しますが、外科の先生は手術のとき、実際に弁を手で触っておられるわけですから。

南方先生 TAVIは比較的最近になって始まった治療法ですので、治療の確実性からいうと、まだ限界があります。すべての患者さんをTAVIで治すというのは、やはり10年、20年という長い期間のなかでの検討が必要です。したがって、まずは若くて元気な方、体力がある方であれば、開胸手術が原則になると思います。

TAVIを選択したポイント

それぞれの患者さんにTAVIを適用したポイントを教えてください。

齋藤先生 ハートチームの中で、南方先生を中心に検討しました。まず皆さんご高齢で、開胸手術は体力的に懸念されたこと。そして山岡さんは、心不全が重篤の状態でしたし、壇上さんは狭心症の治療を受けていたことも考慮されました。

南方先生 TAVIの方法としては、岩田さん、檀上さん、山岡さんについては経大腿アプローチ(*7)でしたが、小林さんは経心尖アプローチ(*8)を採用しました。この場合、胸に小さく切開を加えることになるので、できる限り避けたいわけです。しかし特に脚の血管が狭くなっているとか、細いとか、もしくは血管が蛇行して曲がっているというような患者さんに対しては、脚の付け根からのアプローチが困難になる。そういった状況があったので、小林さんの場合は、胸からのアプローチを選択しました。

先生から患者さんへのメッセージをお願いします。

南方先生 新しい治療を行うには、患者さんも、医師も勇気や決心が必要だと思います。皆さんが、私達を信頼していただいて、TAVIを受けられたことに感謝しています。大動脈弁狭窄症という命に関わる大きな病気をせっかく克服されたわけですから、もう一段何かやりたいことをみつけていただきたいと思っていました。皆さんが前向きに、希望をもって過ごされている様子を見て、本当にうれしく感じました。これからも、その日その日を楽しんで、長生きしていただけたらと思います。

 

*6 TAVIは、カテーテル治療専門医(主に循環器内科医)、心臓血管外科医、麻酔科医、心エコー医および看護師、理学療法士、放射線技師、臨床工学技士などのコメディカルが各専門分野のノウハウを結集し、一人ひとりの患者さんにとって最適な治療法を検討、選択することによってはじめて可能となる。この専門家集団を「ハートチーム」と呼ぶ。

*7 カテーテルを太ももの付け根の血管から挿入する方法。

*8 カテーテルを胸から心臓の先端を経由して挿入する方法。

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ここに掲載された情報は、あくまで一般的な解釈に基づき疾病・治療法情報を提供する目的で作成されたものであり、 特定の手技等を推進するものではありません。個々の患者さんの診断および治療方法については、必ず医師とご相談ください。

登場者プロフィール

  • 患者さん

    山岡 四郎さん
    (86歳)

  • 患者さん

    檀上 一恵さん
    (86歳)

  • 患者さん

    小林 百合子さん
    (89歳)

  • 患者さん

    岩田 ミサオさん
    (83歳)

  • 監修

    南方 謙二先生
    京都大学医学部附属病院
    心臓血管外科
    講師・病棟医長

    1994年 京都大学卒業
    京都大学(医学部附属)病院
    2001年 米国メイヨークリニック
    2010年 米国ピッツバーグ大学
    2011年 京都大学
    現在に至る

  • 監修

    齋藤 成達先生
    京都大学医学部附属病院
    循環器内科
    助教・外来副医長
    1998年 京都大学卒業
    1999年 小倉記念病院
    2007年 京都大学医学部大学院
    医学研究科卒業
    2008年 永井病院
    2011年 京都大学医学部附属病院
    現在に至る

その他のストーリー

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