治療の前と後では心の変化もあるんですね。      母の心の満足を大きく感じます。

治療とともに気持ちも前向きに

川野知子さん 一人暮らしだったら、転んだりするのが一番危ないので、それは気をつけていましたけどね。

中尾先生 心臓が悪くなると余計に動かなくなって足腰が弱ってきますから、転倒する率も高くなるんですよ。

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心臓だけの問題ではなくなるのですね。川野さんはTAVIの治療を受けてからちょうど1カ月位が経過しましたが、体調の違いは感じられますか?

川野知子さん そもそも小さい傷口から、どうやって心臓の弁を治療したのかが不思議でびっくりしました。あとは運動せなとか言うでしょ。

川野芳則さん 治療の翌朝にはもう100m歩いたんですよ。その次の日の朝には500m歩いて、午前中にはもう普通の一般病棟の個室に移って。いつも通りおかゆも食べたりとかして。心臓を治療した割には、すごい回復力でした。

先ほどおっしゃっていた、坂の上の信号の所には行きましたか?

川野知子さん それはまだ歩いとらんとです。

川野芳則さん まだですね。家の中で歩いています。ただ、今朝も病院に着いて、車椅子もなしで何ヵ所も歩き回って。だから相当な体力ですよ。入院したときには、壁を伝い伝い歩いていましたから。ところが今日はもう朝からずっと、歩いて採血からCTから、ぐるぐる回って。足はしっかりしてきましたよ。家事も、母がもう自分でほぼ全部やっています。

川野知子さん お風呂に入るのも今はそれほど苦しくないです。前は湯船に浸かる気がしなかったけど。

川野芳則さん 息がハーハー言っていましたからね。病院に連れて行く前日なんかは、やっと湯船から出てきた感じでした。今は湯船にちゃんと長いこと浸かっていますから。

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それは本当に良かったですね。治療を受けたらこれをしよう、などと楽しみにされていたことはありましたか?

川野知子さん 菜園がしたいの。なすび、ピーマン、きゅうり、いろいろ作っているんですよ。今はまだ雨が多いから、早く天気になっていろいろしたい!それが楽しみです。

川野芳則さん 草むしりは、もう毎朝していますね。入院する前はほとんどできなかったんですよ。10分もしたらやめていて。今はかなり長いことやっています。私のほうが、腰が痛くなるくらい(笑)。さきほど心臓が悪いと転んだりしやすくなる、ということでしたが、治療したことでいろんなところが良くなっている気がします。

ご家族としても、お母様が治療を受けられてお元気になって安心されたでしようね。

川野芳則さん そうです。兄弟全員で喜んでいます。

さて、TAVIの治療はハートチームという先生方のチームで行われる治療なのですね。

押富先生 そうですね、たとえば外科手術をするのに、TAVIが導入される前までは、非常に高齢の方というのは原則として手術の対象にならず、体力のある方だけを手術していましたから、どちらかと言うと心臓そのものの検査を重視していました。しかし患者さんの年齢が高くなってくると、今度は体力的な問題があったり、病気を複数お持ちの方も増えてきます。今までは心臓だけを診ていればよかったのが、そうではなくなってきたわけですね。心臓以外に、ご本人の体力や川野さんのようにしっかりされている方かどうか、などを総合的に検討し、治療可能か、それとも残念ながら治療は難しいかの判断をしなくてはならない。そうなると心臓外科、循環器内科だけでは判断ができないと思うのです。その点ハートチームは看護師さんやリハビリスタッフなど、いろいろなメンバーが集まって、社会的な背景、患者さんのご家族のこと、ご本人が治療後に楽しみにされている趣味があるかなどまで含めて、患者さんの全体像をつかんだうえで、治療方針を決めています。これは今までのハートチームがなかったころの治療方針の決め方とは大きく違ってきています。

中尾先生 そうですね。外科医と内科医が一緒に仕事をする、同じ手術室に入るのは、この治療で初めて行うことなんですよ。また弁膜症は歴史的に外科の先生が豊富な経験をお持ちなので、僕らもそういう中で一緒に治療をする機会があって良かったと思っています。そしてこういった新しい治療の効果がもたらされたとなれば、僕らは本当に一生懸命、熊本でこの治療を始めるために頑張ってきて良かったと思います。川野さんにもぜひお元気で、また菜園をしていただければと思います。

川野知子さん ありがとうございます。

川野芳則さん 家族としても、治療の後一緒に母と過ごしてみて、以前と全然違いますから、うれしいですね。

ここに掲載された情報は、あくまで一般的な解釈に基づき疾病・治療法情報を提供する目的で作成されたものであり、 特定の手技等を推進するものではありません。個々の患者さんの診断および治療方法については、必ず医師とご相談ください。

登場者プロフィール

  • 患者さん

    川野 知子さん
    (90歳)

  • 息子さん

    川野 芳則さん

  • 監修

    中尾 浩一先生
    社会福祉法人 恩賜財団
    済生会熊本病院

    副院長 兼 循環器内科部長 兼
    医療連携部長

  • 監修

    押富 隆先生
    社会福祉法人 恩賜財団
    済生会熊本病院

    心臓血管外科副部長

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