治療の前と後では心の変化もあるんですね。      母の心の満足を大きく感じます。

治療前はできなかった草むしりを
もう毎朝しています。

新しい治療法に家族が期待を持って

ps4_image_02TAVIという治療法に関してはどんな感想を持たれましたか?

川野芳則さん 先生がカテーテルで、とおっしゃったときに、イメージはすぐできました。私の兄がカテーテルで心臓の血管を広げる手術を受けたときに立ち会ったことがあるのですが、治療後、本人が歩いて帰ってきたからビックリして。カテーテル治療というのはすごいと思っていました。それで兄にもTAVIの話をしたら、そんな治療があるなら受けたほうが良いと。

一方でTAVIは昨年2013年10月から始まったばかりの新しい治療法ですが、不安はありませんでしたか?

川野芳則さん この治療法はまだ5年間ぐらいしかデータがないということは聞きましたけど、どんな治療をしようと心配な点はありますからね。

中尾先生 5年間というのは、まだTAVIについては治療後5年間くらいの追跡データしかなくて、その先のことはまだ明確になっていない、治療としては成熟しきっていない、新しい治療だということですね。

川野芳則さん はっきり言えるのはここまでだ、その先はまだわからない、ということですよね。ただ息子としては、治療はぜひ受けてもらおうと。治療が母にとってすごく負担でストレスになる、ということもなさそうでしたから。

弁膜症においては治療として確立され、実績の豊富な開胸手術が通常は第一選択になりますが、川野さんがTAVIの適用となったのはどのような理由があったのでしょうか。

中尾先生 TAVIの適用については、まず外科の先生方がその患者さんを診て、外科手術のリスクが高いと判断するのが大前提です。川野さんの場合は、こうしてお話ししていると大変お元気ですけれども、やはり90歳ということもあり、手術中やその後も含めいろいろなリスクが増える可能性があります。そのため外科の先生をはじめ、院内のハートチーム(*)で集まって検討した結果、川野さんにはTAVIの治療をお勧めしましよう、ということになったんですね。

押富先生 外科手術は30年以上前から弁置換術の歴史がありますので、非常にたくさんの経験と実績とがあります。ただそうは言っても、90歳の患者さんに対する外科治療の実績はそれほど多くはありません。その中にはスムーズに退院される方もいますが、半分以上の方は手術後、回復にかなり時聞がかかります。ご本人も大変です。ましてや90歳近くの患者さんとなると、今までTAVIという治療がなかったときには、はっきり言って原則治療の対象外、手術できない患者さんとして振り分けられていたんですね。

対症療法にならざるを得なかったのですね

ps4_image_03押富先生 一方で最近では元気で長生きされる方が増えていますから、手術できる年齢は上がってきています。20年位前には80歳を超えて手術される方というのは非常に珍しかったのですが、今や85歳を超えて90歳近くでも手術する方はされるわけですね。ただ、弁を換える手術であれば70歳でも90歳でもまったく同じ手術をしますが、患者さんの年齢や体力が違うものですから、結果がやはり違ってきます。手術自体の問題というよりも、手術後の回復がどうしても難しくなってしまうのです。そうなると90歳を超える患者さんというのは、心臓外科医にとっても難しい部分があります。

川野知子さん 私も言ったんですよ。90歳にもなってね、もう死んだも同じやけん治療はせんでもよか、と。うちは両親がみんなね、93歳ぐらいまで生きたんですよ。昔の人はあんまり病院にかからんでも元気だったですよね。

押富先生 確かに手術をしなくても、生きるという意昧だけならば、92~93歳まで生きられたかもしれません。ただそれは半分寝たきりの状態だったと思います。

川野知子さん 私は寝たきりにはならんて言ったんです。息子にね。

押富先生 だから、元気で毎日を過ごされるためには、どうしても治療が必要になるんですね。

川野芳則さん 私達も最後には、一人暮らしをまだ続けたいなら、治療を受けなさいということで説得しました。

 

* TAVIは、カテーテル治療専門医(主に循環器内科)、心臓血管外科医、麻酔科医、心エコー医および看護師、理学療法士、放射線技師、臨床工学技士などの医療従事者が各専門分野のノウハウを結集し、一人ひとりの患者さんにとって最適な治療法を検討、選択することによってはじめて可能となります。この専門家集団を「ハートチーム」と呼びます。

ここに掲載された情報は、あくまで一般的な解釈に基づき疾病・治療法情報を提供する目的で作成されたものであり、 特定の手技等を推進するものではありません。個々の患者さんの診断および治療方法については、必ず医師とご相談ください。

登場者プロフィール

  • 患者さん

    川野 知子さん
    (90歳)

  • 息子さん

    川野 芳則さん

  • 監修

    中尾 浩一先生
    社会福祉法人 恩賜財団
    済生会熊本病院

    副院長 兼 循環器内科部長 兼
    医療連携部長

  • 監修

    押富 隆先生
    社会福祉法人 恩賜財団
    済生会熊本病院

    心臓血管外科副部長

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