ドクターヘリで運ばれた私が今、           地域のボランティアで活動していられるなんて。

患者さん元気になっていただくためのお手伝いをする。
それがハートチームの役割です。

初期症状の多くは息切れ

先生におうかがいします。大動脈弁狭窄症は、なかなか自分では気づきにくい病気だと聞いておりますが、どんな初期症状がありますか?

白井先生 いちばん初期の症状として、息切れが多いことがあります。ただ、今まで通りの生活をしていて息切れするようになると、どうしても息切れしない生活を選んでしまう。単に息切れだけの場合、なるべく動かないような生活の仕方をしてしまうと、症状がなかなか分からない。結果からみますと、何らかの形で受診されたときに、聴診器で胸の音を聴いてみたら雑音がする。そこで専門の医療機関を紹介されたら、「やはり悪いですね」ということで分かるのが、ほとんどですね。逆にいうと、症状が出てしまっているような大動脈弁狭窄症になると、もう相当に進行していることが多いんです。進行してひどくなると、心不全を起こして肺水腫というきつい状態になりますので、本当は生活の中で気づいていただきたいのですが、実際には自覚症状に気づくのはとても難しいですね。健康診断だけでは分かりませんし、たとえ健康診断の聴診で雑音に気づいたとしても、専門医の治療を受けるとこるまでつなげるには時間がかかると思います。

チーム一丸で治療に臨んで

TAVIはハートチーム(*3)というチーム体制で行われていると聞いておりますが?

白井先生 もともと50年以上の歴史をもつ外科手術がある中で、このTAVIをする患者さんは、外科手術を受ける人よりも、はるかにリスクが高い人ということになります。そのほとんどはご高齢で、必ずしもこのような治療を望んでおられない場合もある。でも患者さんが「元気になりたい」と望んでおられるなら、そのお手伝いをできればいいというのが、いつもハートチームで話していることです。カテーテルの治療をするのではなく、カテーテルを使って元気になっていただくためのお手伝いをしようということなんです。こうして山田さんのように元気になられた方から、外来で「どんなことができるようになりましたか?」と、それをいちばん聞きたいんです。これは外科の先生方とチームを作るようになってから学んだことでもあります。外科は、たとえばメスで患者さんの体を傷つけるわけですが、その代わりに体をより良い状態に治していく。この部分については、外科の先生方の思い入れは、すごく強い。そういうことが分かったのも、一緒にチームを組んだからなんです。

新井先生 私もチームを組んで、とても勉強になりましたし、もちろん認識も変わりました。大動脈弁狭窄症の場合、基本的には手術で弁の置換ができる方は、手術のほうがいいんですね。でも手術ができないからとあきらめずに、とにかく病院に来ていただくことです。TAVIのような新しい方法が始まり治療の選択肢が増えています。

白井先生 私はこのTAVIによって、本当に考え方が変わりました。自分ひとりで大動脈弁狭窄症の治療をどうするかと考えるのではなく、チームとしてディスカッションし、計画を立て、外科手術の可能性も突き詰めて検討し、TAVIにするにしても、適用基準として正しいのかという目で見直したり。そういうことをした結果として、元気になった患者さんと、また外来でお目に掛かれるというのが理想ですね。

 

 

※TAVIは、カテーテル治療専門医(主に循環器内科)、心臓血管外科医、麻酔科医、心エコー医および看護師、理学療法士、放射線技師、臨床工学技士などのコメディカルが各専門分野のノウハウを結集し、一人ひとりの患者さんにとって最適な治療法を検討、選択することによってはじめて可能となる。この専門家集団を「ハートチーム」と呼ぶ。

ここに掲載された情報は、あくまで一般的な解釈に基づき疾病・治療法情報を提供する目的で作成されたものであり、 特定の手技等を推進するものではありません。個々の患者さんの診断および治療方法については、必ず医師とご相談ください。

登場者プロフィール

  • 患者さん

    山田 博さん
    (75歳)

  • 奥様

    山田 よう子さん

  • 監修

    白井 伸一先生
    一般財団法人 平成紫川会
    小倉記念病院
    循環器内科部長

    1995年 京都大学卒業
    1999年 小倉記念病院
    2014年
    小倉記念病院
    循環器内科部長

  • 監修

    新井 善雄先生
    一般財団法人 平成紫川会
    小倉記念病院
    心臓血管外科部長

    1994年 山口大学卒業
    2006年 小倉記念病院
    2011年
    小倉記念病院
    心臓血管外科部長

その他のストーリー

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